「アンカリング効果」という言葉をご存じでしょうか?アンカリング効果とは、ある特定の基準に基づいてさまざまな判断をする、心理効果のことです。
アンカリングはビジネスシーンでも利用されますが、こと恋愛においても役立つテクニックです。ここでは、アンカリングの概要や効果、恋愛での活かし方をまとめています。
目次
まずは知っておきたいアンカリング効果
アンカリングとは、「認知バイアス」のひとつ。さまざまな「基準=アンカー」を参考に、目の前の状況を判断したり物事の価値を測ったりする心理効果を指します。一般的に、過去の経験や比較する数値、物事などが「アンカー」として機能します。
恋愛におけるアンカリングは、過去の恋愛経験や周囲で言われている「常識」が基準になっていることがほとんど。たとえば、異性を魅力的かどうかを判断する場面では、まさにアンカリング効果が機能しています。
テレビや雑誌の「こういう異性が魅力的」という情報を常に浴び続けていると、無意識のうちにその情報が「基準=アンカー」となります。そのアンカーのもとに、人は異性の魅力度を判断している、というワケ。
加えて、過去の恋愛経験から「こういう人とは長く続いた」「こういう人とは上手くいかなかった」というアンカーを生み出すパターンもよく見られます。こうしたアンカーが無意識のうちに蓄積されて、好きな異性のタイプが確立されていくのです。
恋愛で「アンカリング効果」を活用するポイント
アンカリングを恋愛で活かすためには、相手のアンカーがどこにあるかを探ることが大切です。
さりげなく相手の恋愛遍歴を聞く
相手が過去にどんな恋愛をしてきたのかを、さりげなく探りましょう。そこから、相手が恋人に求めるアンカーを探し出すことができます。たとえば料理が得意な人と長く付き合っていたのであれば、「料理上手」が相手のアンカーのひとつだといえるでしょう。
マイナスに働くアンカリング効果の対策をしておく
相手のアンカーを探る際大切なのが、プラスだけでなくマイナスのアンカーも探すことです。「こういう人を魅力的だと感じる」というアンカーがあるように、「こういう人には魅力を感じない」というアンカーも当然あります。
過去の恋愛遍歴をさりげなく聞きながら「この人にとってはどういう点がマイナス基準になるのか」という点を探りましょう。たとえば「元カノは几帳面すぎて性格が合わなかった」という話を聞けたとしたら、「几帳面すぎる」がマイナスなアンカーだと考えられます。
マイナスなアンカーを掴めていないと、「元カノはもっと〇〇だったのに…」と比べられてしまい、恋愛で不利な状況に立たされてしまいます。
アンカーをあえてぼかしてしまうのも手
相手の好みから外れているルックスや性格の人と一緒にいると、必然的に自分の株が上がります。
たとえ相手の通常のアンカーがもう少し高いところに設定されていても、比較対象となる人が側にいるだけで「この人のルックスは好みだな」「この人とは気が合いそうだな」と思ってもらえるのです。
このテクニックは、合コンやビジネスなどでもよく使われるもの。たとえば家電量販店などで「通常価格50,000円→特別価格で30,000円!」という値札を見かけたら「こんなに安くなってる!」と感情的に判断しがちです。本来のアンカーが揺らぎ、妥協させる余地が生まれるのです。
恋愛で役立つ、アンカリングの実践術
アンカリング効果を恋愛で活かすには、相手に新しいアンカー=基準を埋め込むことが大切です。つまり、さりげない仕草で相手に特別な感情を刷り込み「この人ともっといたい」「この人と一緒にいると楽しい」と思わせるのです。以下で、具体例を紹介します。
さりげないボディタッチをする
相手が楽しいと感じているときやいい雰囲気になっているときなどに、さりげなくボディタッチをしましょう。二の腕に触れてみたり、肩を軽く叩いてみたりするのがおすすめ。
これを自然に繰り返すことで「ボディタッチされる=楽しい、ドキドキする」というアンカーを相手に刷り込むことができます。
声のトーンをシチュエーションによって変えてみる
相槌を打つタイミングや声の高さ、イントネーションを細かく使い分けましょう。
楽しいと思ったらいつもより高い声を出す、感心したら少しテンションを上げた声で相槌を打ってみるなど「こういう声を出すときは楽しんでくれている」という前向きな印象を相手に刷り込むことができます。
香りを活用してみる
気になる相手と会う時は、決まった香水をつけていきましょう。この香りが相手にとってのアンカーとなり、無意識のうちに自分の存在を意識してもらえるようになります。香りのアンカーを、楽しい思い出や特別な日と関連づけられればよりGoodです。
相手をさりげなく操るテクニック
アンカリングは、恋愛のみならず日常生活やビジネスでも使えるテクニックです。難しい知識や条件は特にありません。アンカリングを突き詰めていけば「相手の好み(アンカー)を知る」「相手に自分を意識してもらう」というシンプルな結論に着地するからです。難しく考えず、自分が実践できそうなアンカリング効果を狙ってみてください。