昨今のペットブーム、自分たちの子どもとしてペットを迎え入れたい夫婦は多くいます。家に帰れば出迎えてくれる可愛いペットや無邪気に部屋を駆け回る姿は、最高の癒しになるでしょう。実際にペットを飼い、夫婦の共通話題が増えて「家の中が明るくなった」という報告は多く聞きます。ですが、「ペットを飼う」のは「命を育てる」こと。中途半端な覚悟で飼っては、夫婦・ペットどちらも不幸になってしまいます。飼うからには当然最期まで面倒を見ましょう。こちらでは、両方が幸せに暮らすために必要な情報を紹介します。
目次
ペットと一緒に暮らすと健康や幸福度が向上する?
夫婦や一人暮らしなど、ライフスタイル関係なく、ペットと暮らすとさまざまな効果を得られると言いますが、どんな内容でしょうか。その一例を紹介します。
ストレスや不安が減る
ペットとの触れあいを通して、笑顔や運動の数が増えます。人は笑うと「オキシトシン」という幸せホルモンが分泌され、幸福度を感じやすくなります。また、ペットによって散歩が世話も必要になるでしょう。人は運動すると幸福を感じやすくなるとデータがあるのです。つまり、ペットを飼うと幸福を感じる回数が増え、その分ストレスや不安が減ると言えます。
規律正しい生活を送るようになる
ペットを飼うなら、当たり前ですが世話をしなければなりません。えさやりや散歩・掃除の時間など、こまめなスケジュール管理が大切になるので、自然と規律正しい生活を心がけるようになります。
ペットを介して人との交流が増える
ペットを飼うと、散歩や通院などで外出が増えるため、外部とのコミュニケーションをとる機会が自然と増えます。さらに、ペットブームにより、ペット好きによるオフ会も開催されています。ペットを通し、人との交流を増やすことも可能です。
ペットで夫婦仲も良好?その理由は
夫婦の会話が増える
趣味や好きなものが合わない夫婦でも、ペットは共通の話題になります。無垢で可愛い動物は、人間が予想しない行動をとることもしばしば。おもしろい行動や可愛い行動をとっていたら、直接話したりLINEで動画や写真を送ったり“楽しい”を共有したくなりますよね。
時にはケンカの仲裁に
ペットは飼い主の変化に敏感です。ケンカの内容は分からなくても、飼い主たちが怒っているのは察しています。ですから、ケンカ中に大きな声で鳴いて気を引いたり、夫婦の間を行き来したり仲裁に入ることもあるようです。そんなペットを見てしまったら、「ケンカしてる場合じゃないな」って気持ちになっちゃいますね。
子どものような存在になってくれる
さまざまな事情があり、「子どもをもたない」選択をした夫婦もいるでしょう。その中には、子どもがいない寂しさを抱えている夫婦もいるはず。ペットは、そんな夫婦の子どものような存在になってくれるでしょう。当然可愛いだけでは済みませんが、夫婦一緒に世話をし・一緒に可愛がり、夫婦の仲を繋いでくれます。
孤独感を感じない
仕事で帰りが遅くなる配偶者を一人待つのは寂しいもの。一緒に待ってくれるペットがいれば、心強さを感じられるでしょう。配偶者を待っている間に、ペットが可愛い行動をとったり・珍しい行動をしていたら話したくなりますよね。なので、ただ「いつ帰ってくるんだろう?」ではなく「早く帰ってこないかな」とワクワクして待つことができます。
規則正しい生活を心がけるようになる
種類にもよりますが動物は早起きです。飼い主もペットに合わせて早起きし、エサを与える必要があります。ペットがきっかけで早寝早起きの習慣がついた飼い主も多くいるようです。さらにペット愛が仕事に影響を与えることも。「早く帰ってペットと遊ぶ」と楽しみがあると、仕事に熱が入っちゃいますよね。ペットの世話が生活の質を向上させる例です。
運動不足解消にも一役買ってくれます
犬やうさぎなど、散歩が必要な動物をペットとして迎え入れた場合、散歩が運動不足解消に一役買ってくれます。種類や年齢・性格によって時間は異なりますが、30分ほどが目安です。またペットを迎えると、定期的に病院で健康をチェックする必要があり、外出の機会も増えます。
逆に夫婦仲を引き裂く原因にも?ペットを飼うデメリットを知ろう
しつけに関する意見の食い違い
ペットや飼い主が穏やかに過ごすために、しつけは必要です。ただし、夫婦間でしつけの価値観が異なるとケンカの原因につながります。「しつけを厳しくするとペットがトラウマになるかもしれない」の意見もあれば、「早い段階でダメなものはダメだと言わなければ手遅れになってしまう」の意見もあります。ペットを迎える前に、しつけについてどんな価値観をもっているか話し合う必要があります。
ペットへのお金のかけ方の食い違い
エサ代・トイレシーツ代・ゲージ・遊び道具など、出費が多くかかります。これらはペットの生活必需品なので、意見の食い違いが起きることは少ないでしょう。ただ、最近はペットブームにより、可愛い洋服や遊び道具などが増え、お金をかけようと思えばいくらでもかけられます。「可愛いペットのために、何でも買い与えたい!」派もいれば「遊び道具は最低限、必需品以外のものは不要」派もいます。ペットへの投資について、お互いの考え方を把握すれば、不満要素を減らせるでしょう。
ペットに構いきりになってしまう
ペットに構いすぎるあまり、配偶者と過ごす時間が減ってしまうパターン。夫婦もペットも幸せになるため迎え入れたのに、これでは配偶者がペットに難色を示すかもしれません。ペットとの時間も大切ですが、構う時間があまりに時間配分が偏っているようでしたら、ペットとの関わり方を見つめなおしましょう。
旅行や外出に制限がかかる
ペットを迎え入れた場合、長期の旅行は制限されると考えるのがベスト。最近ではペットと旅行に行けるプランもありますが、環境の変化に敏感なペットにとってストレスになることも。配偶者が旅行やキャンプなど、アクティブな趣味をもっている場合、こういった生活の制限が不満につながる要因にもなります。
ペットの死
家族の一員であるペットの死が悲しいのは当然のこと。今まで当たり前のように一緒にいた家族を喪うのですから、その喪失感は計り知れません。人によっては、数ヶ月・長いと数年以上も悲しみを引きずる方もいます。初めはそんな配偶者を心配して必死に慰めるのですが、その時期が長くなると自分まで疲れてしまい、夫婦不仲を引き起こすきっかけになってしまいます。
ペットを飼う際に大切なルール決め
「可愛い」「癒し」など、人間に良い影響を与えるペット。しかし、良い影響を受けるにはしっかりとした準備が必要です。ペットだって立派な生き物、しつけの問題や病気やケガの問題は避けられません。飼う前に、想像しうる問題でも冷静に対応できるように計画すると、ペットひいては、人間のためにもなります。
- その1:家族の中にアレルギーはいないか
- その2:どんな動物を飼うのか
- その3:幼い状態で向かえるのか否か
- その4:ペットを留守番させる場合は?しつけはどうするか
- その5:ペットのトイレの位置は?しつけはどうするか
- その6:散歩はどうするか(犬の場合)
- その7:ペットが怪我したり・病気になった場合は?
- その8:奥さんが妊娠・出産した場合の対応
- その9:最期まで面倒を見る体力・財力はあるか
上記はあくまでも一例です。家族構成や済んでいる場所によって注意すべき点は異なるでしょう。一例の項目を見て、「これは難しいかも…」と思う点が一つでも見つかるのなら、今はペットを迎えるタイミングではないのかもしれません。
夫婦でお迎えに向いているペットは?
ウサギ
トイレの場所を覚えたり、大きな声で吠えないので比較的飼いやすいペットです。性格はおとなしめな子が多め。しかし、飼い主には甘えてくれる可愛い子です。飼う際の注意点は、家具や柱などをかじってしまうこと・トイレ以外の場所で糞尿をする可能性があること。臭いでトイレを覚えるので、トイレ以外で糞尿をしてしまった場合は、すぐに拭き取ってから消臭スプレーで臭いを消しましょう。
ハムスター
ハムスターは夜行性で昼間はほとんど寝ています。日中は仕事で家を空ける場合も安心して飼える点が好ポイント。1日1回エサや水の交換、トイレ掃除など簡単できるものばかり、臭いもほとんどなくペット初心者も飼いやすいのが特徴です。注意点としては、脱走上手なこと。ケージの扉は絶対に締めましょう。繁殖力が高いため、オスメス両方飼育するときは、ケージを別々にするのをオススメします。
フェレット
小さくて好奇心旺盛で遊び好き、しかし噛み癖は少ないのが特徴。湿度管理と毎日の食事・水やりや掃除さえできれば、ほとんど手がかからないのでペット初心者向きです。ただ、遊び好き=人懐っこいではありません。ペットとして人気が高いフェレットですが、犬のような従順な懐っこさは求めない方が吉。もちろん世話をしっかり行い、愛情をもって接すれば話は別です。
プレーリードッグ
丸々とした可愛いフォルムが特徴のプレーリードッグ。しっかり世話をすれば、自分から膝の上にのって甘えてくれることも。室内で飼うと、どうしても運動量が制限されるため、食事管理はとても大切です。低カロリー・低たんぱく・高繊維な食事を与えましょう。また、人間が決めた場所でトイレをしないことが多く、自分が気に入った場所で済ませるケースがほとんど。プレーリードッグ自身が決めた位置をトイレにするのが手っ取り早いです。
チンチラ
ハムスターと同様の夜行性。昼間は寝て、夜には活動的です。夜中はゲージ内で運動会をしているため、寝室に置くと夜中目が覚めてしまうかもしれません。チンチラは壁だろうが、プラスチック製品だろうが、柱だろうが、とにかく何でもかじってしまいます。室内でチンチラを散歩させる場合は注意が必要です。また、病気は比較的少ない方ですが、ストレスに弱い繊細な一面もあるので、日頃の健康管理はこまめにチェックしましょう。
猫
猫は室内で飼いやすくて散歩も不要、人間に慣れやすい動物です。犬のように人間に忠実ではありませんが、自分の好きなタイミングで甘えてくるのが魅力。猫自身がキレイ好きで毎日毛づくろいを熱心に行います。そのおかげで体臭もほとんどナシ。ただし、トイレの臭いはキツめで、糞尿をしていたらすぐに片付けしましょう。基本的に手がかかりにくいと言われていますが、換毛期になると、ごっそり毛が抜けて掃除が大変になるデメリットも抑えておきましょう。
犬
ペットの定番と言えば犬!可愛くてお利口さんで飼い主に従順なところが魅力的。よく聞く散歩は、犬種や年齢・性格にもよりますが小型・中型犬でも最低30分~、大型犬は30分~1時間程度が目安です。トイレに関しては自分から学習ができないので、飼い主やトレーナーさんなど人間がちゃんと教える必要があります。
ペットを飼うときの注意点
「ペットを飼う際に大切なルール決め」でも紹介しましたが、夫婦やペットどちらも幸せに暮らすには、事前の計画が大事です。下記をチェックし、夫婦どちらもペットを飼える万全な状態かチェックしましょう。
- 注意1:ペットを飼える住まいにいるか
- 注意2:飼いたいと思っているペットは夫婦の生活環境に合うか
- 注意3:家族全員がペットを飼うことに賛成しているか
- 注意4:毎日欠かさず世話ができるか
- 注意5:近所迷惑にならないよう配慮できるか
- 注意6:急な出費があろうと対応できるか
- 注意7:ペットの最期まで計画を立てているか
- 注意8:万が一、急にペットと暮らせなくなったときを考えているか
メリットもデメリットも受け入れたうえで、ペットを迎えましょう
ペットを飼うと、自分の生活態度を見直したり・笑顔が増えたり良いことばかりです。ですが、命ある生き物と一緒に暮らしているですから、当然デメリットもあります。メリットもデメリットもどちらも受け入れたうえで、ペットを家族に迎え入れましょう。