日々新しい方法が生まれているダイエット方法。なかでも、一定期間中に必要最低限の栄養のみを摂取するダイエット方法「ファスティング」は最早定番のダイエット方法です。
ここでは、ファスティング初心者でも無理なく続けられる「ゆるファスティング」の効果ややり方を簡単にまとめてみました。
目次
勘違いされている「ファスティング」
ファスティングには明確な定義がありません。一般的な方法としては、固形物を摂らない代わりにスムージーや発酵ドリンクなどで最低限の栄養素やカロリーを摂ることを「ファスティング」と呼ぶことが多いようです。
ファスティングが混同されがちなのが、水だけ飲んで何も口にしない「絶食」や飲食行為の全てを断つ「断食(だんじき)」です。水以外のものを一切口にしない絶食は健康面へのリスクが極めて大きく、ダイエットとしても失敗する可能性が高いのでおすすめできません。頭痛や吐き気、めまいなど低血糖による症状が起こり、日常生活に支障をきたす可能性があるからです。
そもそも、ファスティングの目的って?
ファスティングの目的は、ズバリ胃腸を休ませて身体の新陳代謝を正常にすること。1日中不眠不休で働く胃腸を休ませることで、胃腸の機能を正常化させます。その結果、胃腸が元気に働くようになり、体内の毒素や老廃物が正常に排出されるようになるという仕組み。
「こってりした食べ物が好き」「ご飯を作るのが面倒でいつも外食やコンビニ弁当で済ませちゃう…」という方こそ、ファスティングの効果を実感しやすいはずですよ。筋トレでも筋肉痛になっているときは休ませて回復させますよね? 同じように、いつも頑張って消化してくれている内臓にもたまには休んでもらって、また元気に働いてもらおう! というわけです。
初心者にもおすすめ「ゆるファスティング」のやり方
ファスティングといっても、1日から1週間とさまざま。ファスティングの目的によって期間はことなりますし、「いきなり本格的なファスティングをするのはちょっと…」という方におすすめなのが、半日程度からと手軽にチャレンジできる「ゆるファスティング」です。代表的なゆるファスティングの方法と実行するポイントをピックアップしてみました!
夕食を早めに摂る
いますぐ実践できるのが「早めに夕食を食べる」ということ。できれば17時半~18時過ぎには夕飯を食べ終えるようにして、それ以降の時間は白湯やお茶以外摂取しないようにしましょう。
早めに夕飯を摂ることで、夜間や就寝中の胃の働きが活発になり、翌日のお通じも期待大。これを続けるだけで、胃腸に休息時間が増えて休ませることができますよ。夕飯メニューはこってりした脂っこいものより、あっさりした和食メニューをチョイスするのがベター。納豆などの発酵食品をプラスするのもおすすめです。
朝食・昼食の量を少し減らす
朝食や昼食は、いつもの7~8割程度の量に減らしましょう。高脂質・高カロリーなものはできるだけ控えて、野菜やフルーツを意識して摂るよう心がけてください。おすすめなのがコンニャクやキノコ類・海藻類などの食材。これらはしっかりとした噛み応えがあるのに加え低カロリーなので、満足感が得られやすいですよ。
週末だけファスティング期間を作る
月に1回程度の頻度で「週末ファスティング」をする期間を作ってみましょう。たとえば土曜日は1日3食、消化にいいものをゆっくり摂って早めに就寝。ファスティング日となる日曜日は固形物を摂らず、スムージーやミネラルウォーターをこまめに飲んで1日を過ごします。週明けからは、みそ汁やおかゆなど、炭水化物メインの最低限の咀嚼で食べられるメニューをゆっくり摂取しましょう。
ゆるファスティングで注意しておきたいポイントは?
ゆるファスティングは、一歩間違えると十分な効果が得られなかったり、健康面に悪影響が及んだりします。そんな悪影響をおさえるためのポイントを、下記でご紹介します。
肉類・卵は避ける
ファスティング中の食事には、肉類や卵はできるだけ避けましょう。これらは動物性たんぱく質であるため、消化に大きな負担がかかります。どうしても取り入れたいのであれば、肉は週に200g以下、卵は週5個以下を目安にメニューへ取り入れてみましょう。
フルーツや野菜を先に食べる
フルーツや野菜に含まれる水溶性食物繊維を先に摂ることで、脂肪の吸収をゆるやかにできます。血糖値の上昇もゆるやかになり、新陳代謝にとってプラスになりますよ。
お酒やカフェイン・刺激物は避ける
アルコールやカフェインは、ファスティング中の休んでいる胃に刺激を与えてしまいます。お酒やコーヒー・紅茶などを飲んで気を紛らわせたいと思ったら、カフェインレスのコーヒーやお茶、ハーブティーなどで代用しましょう。
また、辛いものやチョコレートなどの甘いものも胃を刺激してしまうので、避けるのがベターです。
ファスティング中の食事は少しずつこまめに
ファスティング中の食事の摂り方にも注意が必要です。ファスティング中では1日3食という考えは捨ててください。スムージーや野菜ジュースといった糖分が含まれており胃腸の負担のないものを、こまめに摂取しましょう。
また、お腹が空いているときに一気に糖分が高いものを胃腸に放り込むと、低血糖になりやすいことも覚えておいてください。ファスティング終了後は、少量の野菜スープやおかゆなどを挟んで、ゆっくりと通常の食生活に戻していってください。
ファスティングのココが疑問!ココが気になる!
ゆるファスティングをはじめようと思ったけれど、まだ気になることありますよね。幾つかのよくある疑問をまとめてみました。
リバウンドはしないの?
ダイエットにつきもののリバウンド。ファスティング中やファスティング終了後に空腹を満たすために暴飲暴食をしてしまったら、リバウンドしやすいと考えて間違いありません。ファスティングによって飢餓状態に陥った身体は、栄養を吸収したら蓄えようとしてしまうので、ファスティング明けには高カロリーの食事を控えてくださいね。
どれくらいのペースでやればいいの?
1日以上のファスティングは身体に負担がかかりますので、多くても月に2回程度にしてください。夕飯を早めに食べて1日12時間胃腸を休ませる、といったゆるファスティングであれば、毎日でも大丈夫です。
ファスティング中に運動してもいいの?
運動後の栄養補給が必要となるランニングやスポーツジムでのトレーニングといったような強度の高い運動はしないほうが良いですが、ウォーキングやヨガなどは気分転換にも良いとされています。
どれくらい痩せるの?
ゆるファスティングの効果は「痩せる」ことではないので、ダイエット効果を期待をしすぎないようにしてください。胃腸の負担を減らして休ませること、老廃物を出しやすくすることが一番の目的です。また、効果がないからといって頻繁に行うようなものでもありません。
本格的なファスティングを頻繁に行うと、代謝が落ちるだけでなく、痩せにくい身体になってしまう恐れもあります。
ゆるファスティングで食べていい食事ってなに?
胃腸を休ませるためにも、固形物だったり消化に負担がかかる脂肪や油が多い食品以外を選んで食べてください。
また、水分の摂取は必要なので、ノンカフェインのお茶や水は飲んでください。ある程度の糖分の摂取のためにも、野菜ジュースやスムージーも推奨されていますが、野菜ジュースだけ、スポーツドリンクだけ、となってしまうと糖分を取り過ぎてしまう恐れがあります。
「ゆるファスティング」が向かない人って?
手軽に実践できるとはいえ、ゆるファスティングは立派な断食行為。人によっては、ゆるファスティングで効果が期待できないケース、体調が悪化するケースが発生します。「ゆるファスティングが向かない人」の具体例を、いくつかまとめてみました。
BMIが18.5未満の人
体重÷身長の2乗で算出できるBMI。このBMI数値が18.5未満の人はいわゆる「低体重」にあたるため、ファスティングに向いていません。
生理中の人
生理中はホルモンバランスの変動が激しくなる時期。それに伴って体調の変化も激しくなるため、栄養制限をするゆるファスティングをするには適さない時期です。生理後、体調が少しずつ元に戻ってきた頃を見計らってゆるファスティングを始めましょう。
妊娠中の人
妊娠中は、栄養を蓄えねばならない大切な時期。そんな時期のファスティングは危険行為ですので、おすすめはできません。
ストレスを多く抱えている人
ファスティングによる空腹感や飢餓感が、抱えているストレスに拍車をかけてしまうかもしれません。忙しくストレスを多く抱えている人は、体調やストレスの改善を最優先にしましょう。
気になるリバウンド防止方法
ゆるファスティングをする際、気になるのがリバウンド。リバウンドを最小限に抑えるためのポイントをいくつか紹介します。
長くても1~2日程度で終了する
「ゆるい」とはいっても、ファスティングは栄養制限をする立派な断食行為です。ファスティングを行なう期間は、長くとも1~2日程度に留めましょう。それ以上続けると、めまいやふらつき、頭痛といった症状が出やすくなり危険です。
他のことで気を紛らわせる時間を作ろう
ファスティング中は、空腹感や物足りなさに悩まされるもの。つい食べ物のことばかりを考えてしまい、大きなストレスを抱えてしまう人もいるはずです。そんな時は趣味に没頭したり、ウォーキングやヨガやピラティスなどの軽い運動をするのが効果的。人は何かに没頭しているときは空腹感を覚えにくいもの。適度に気晴らしになるものを見つけ、ファスティング中はそれに没頭して空腹感を忘れましょう。
ファスティング後の回復食をしっかり摂る
ファスティング期間を終えたら、おかゆなど消化のいい回復食をしっかりと摂りましょう。いきなり通常の食事に戻すと、体が必要以上の栄養を摂りこんでしまいリバウンドに繋がってしまいます。塩辛いものや脂っこいもの、カフェインやアルコールなどの刺激物を摂るのはもってのほかです!おすすめの食材は、海藻類やキノコ、豆類などの食材です。これらの食材を上手に取り入れた回復食をしっかり摂りましょう。
まとめ
ゆるファスティングは、いわば「体内の断捨離」です。やみくもに行動しても効果が得られない断捨離と同じく、ファスティングにも一人ひとりに合った方法があります。ドリンクにこだわる、食べる量や時間を重視するなど、自分に合った方法のゆるファスティングを見つけて実践してみてくださいね。