他人と意見が合わなくてイライラ…。感情のままに怒りを出せば、人間関係にヒビは入るし、自分の言動に自己嫌悪してさらにイライラ…。短気な自分に嫌気が差す、なんて悩んでる方も多いでしょう。ここでは短気をなおしたい方に向けて、感情をコントロールする方法などを紹介しています。ただ、短気が「悪」ではありません。今の自分の良いところを見つけていきながら、もっと自分を好きになる方法を見つけていきましょう。
目次
そもそも短気はなおせるのか
結論から言えばYESです。
短気が嫌悪されるのは、怒りっぽさゆえ。しかし、短気と言われる方は思考力が高く、起こった出来事に対してどんな未来が起きるのかすぐにイメージできます。問題点は、悪い方向に想像すること。例えば「LINEの返信が遅い」とします。気が長いと言われる人は「いま忙しいのかな~、じゃあ返事くるまでのんびりしよう」と重く捉えません。短気な人は「自分の内容が良くなかったから返信できないの?!」や「自分のことなんてどうでも良いから後回しにされてる!」など、マイナスに考えてイライラ。結果、相手にマイナスな感情をそのままぶつけてしまうのです。
ここで大切なのは、怒りのコントロール方法を探すこと。怒りをいたずらに発散させてしまうから、「短気」は嫌悪されているのです。一方的に怒りの感情をぶつけるのは良くないですが、自分の気持ちを伝えるのは大切な行動です。つまり、自分の感情をコントロールできれば、周りが忌み嫌う短気とは決別できるでしょう。
短気になる原因は?
精神的なゆとりがもてない
短気な人は、物事を悪い方向に考える傾向にあります。ネガティブな未来ばかりイメージするため、当然不安を抱え込みがち。心に余裕がないので、常に焦っています。その状態で、人に優しくするのは難しいですよね。一時的な怒りに身を任せたあと、自己嫌悪するシーンがみられるのも特徴。このように、ネガティブに考えては怒り、そして後悔してネガティブになる…と負のスパイラルに陥ってしまうのです。
神経質になりやすい
短気な人は、細部に気を配れるので仕事ができる人が多いのです。ただ、小さなことも気がついたら、受け流せない部分があります。プライドの高さもあいまって、中途半端にできません。
短気な人にとっては気づくことが当たり前。そのため、気づかない人の鈍感さにイライラして神経質になってしまうのかもしれません。
自分独自のルールが多い
短気な人ほど、「○○はどうであるべき」「▲▲はこうした方が正しい」といったマイルールが多い傾向にあります。そこから、外れた行動を取られると「自分の考え方が間違っている」と言われたような気持ちになってしまい、ついイライラしてしまうのです。
柔軟な考えを取り入れるのが苦手で、一度決めたら考えを曲げないのも短気な人の特徴です。
理想が高い
短気な人は、設定する目標値が高いことが挙げられます。目標を達成するために、自分にも他人にも厳しくするのです。ただ、現実と理想がかけ離れているほど、実現は難しいもの。
短気な人は、自分の意思を曲げないので、理想を否定されると自尊心が傷ついて怒りを爆発させてしまうのです。
短気をなおしたい!感情のコントロールの仕方
まずは深呼吸
怒りの感情を自覚したらまずは、深呼吸しましょう。怒りのピークは6秒と言われています。イライラしながら6秒を待つのではなく、ポイントはゆっくりと深呼吸してみること。
深呼吸には副交感神経の働きをたかめて自律神経を整える効果があります。短気な人は常に緊張状態にあるので、リラックス効果のある深呼吸はおすすめです。大きく口から息を吐く、息を吸うときは鼻から。お腹をへこませて空気を取り込むイメージで行いましょう。6秒と言わず、数回やることでリラックス効果を感じるはずです。
他人と自分を比較しない
短気な人は、プライドが高く体面を大事にする一面があります。そのため、自分の地位が揺らぎそうになったり、イジられたりすると怒りを抑えられません。自分と他人の線引きをするのが苦手なので、つい自分と他人を比べてしまいがち。他人の方が羨ましく見えていると、どんどん自分を追い込んでしまいます。他人の環境ばかり羨んでは、自分の恵まれた部分を見落としてしまうかもしれません。「他人ばっかり・・・」と思い込んでしまうタイプは、まず「他人と自分は違う」スタンスをもつのが大切です。
何が嫌だったのか自己分析する
人によってイライラするポイントはさまざま。何が地雷だったのか自己分析するのも怒りを抑えるコツの一つ。「○○さんがネガティブな発言ばかりするのにイライラする」など、どんな行動に負の感情を抱くのか書き出していきましょう。イライラしたことを書き出すうちに、自分にとって許せないポイントが見つかるはずです。地雷ポイントがわかっていれば、自分がイライラする前に対象から避けられるでしょう。相手のクセが原因で自分の怒りに繋がっている場合、傷つかないように指摘するのもアリです。改善できればイラつかせる要素は減りますし、クセをなおすことが相手のためにもなる可能性だってあります。
自分に合ったストレス発散方法を見つける
抱え込んでいる悩みや不安を上手く消化しきれず、怒りの形で発散している可能性があります。怒りで発散といっても、後から「どうしてあんな風に怒ったんだろう」と落ち込むケースが多いものです。これでは、余計にストレスをためてしまい、どんどん怒りっぽくなる悪循環につながります。「ちょっと高めのランチで自分へのご褒美」「好きな映画を観る」「プチ旅行に出かける」など、自分が心からスッキリするストレス発散方法を見つけましょう。
優しく接した後の想像をしてみる
相手に八つ当たりをしてしまったあとで、自己嫌悪するタイプにおすすめの方法です。いま、目の前の人へ向ける感情を怒りのままでいいか、一呼吸おきます。そしたら、自分が相手の立場になって、怒りをぶつけられた場合・優しくフォローした場合の未来を考えてみましょう。もし、自分が一方的に怒りをぶつけられた場合、その人に信頼感情は芽生えるでしょうか?むしろ、極力関わらない選択肢をとるでしょう。逆に、優しくフォローした場合は?ほとんどが好印象を抱くはずです。たいていの人は、優しい人を大事にしたいと思うので、あなたが人に優しくするほど、同じ優しさが返ってくるでしょう。
周りへの関心をシャットダウンする
短気の人は、色んなものに関心が向けられており、些細なことに「気がつきやすい状態」なのです。身の回りの出来事に気がつきすぎて、イライラしてしまう場合は、他人への関心をいったんシャットダウンしてみてください。職場の仲間に、完全な無関心は難しいので、「●時に進捗の確認をする」と関わる時間を定めておくのがおすすめです。自分のための時間をつくることで他人が気にならなくなり、イライラする時間を減らせるでしょう。
自分の間違いを認める
短気な人ほど、自分の意見が正しいと思っているケースがあります。自分の意見が正しいと思い込んでいるため、なかなか新しい意見を受け入れられず口論になることも。世の中は、どんどん情報更新されています。昨日正しかったことが明日には違う答えが正解になっているかもしれません。また、どの考え方が「正義」「悪」だなんて誰も決定できないのです。自分が信じてきた答えが違っていても「そんな考え方もできるんだ」と見てみれば、新しい見え方ができるかもしれません。
規則正しい生活を試みる
生活の質は心の余裕にも関わる問題です。栄養が不十分で体調が不安定、そのため不安になったりイライラしたり…といったことも。インスタント麺や外食で偏った食生活をしているなら、野菜や魚などを摂るようにしましょう。また、睡眠不足も短気な性格を形成してしまう要因です。不十分な睡眠は自律神経が乱れてしまいます。自律神経が乱れると、頭痛・倦怠感などの症状を起こします。体が元気じゃないのに、心に余裕をもてませんよね。最低でも6~8時間ほどの睡眠を心がけましょう。
自分を否定しすぎないで!短気ならではの長所とは?
短気はネガティブにとらわれがちですが、見方を変えれば良い面があります。
怒りで他人を傷つけているならなおすべきです。しかし、長所になり得る部分を把握できれば、もっと自分をプラスに成長させられるでしょう。
- 表裏がない
- 何事にもこだわりをもって取り組める
- アンテナ力が高い
- 責任感が人一倍強い
- 正義感をもっている
- 自分の考えをもっている
- 観察力が高い
- すぐに決断できる
- 妥協しない仕事ができる
「怒りっぽい」は「自分の気持ちを正直に伝えてくれるため、表裏がない人」という捉え方も可能です。ネックポイントと言われがちですが、「自分の感情を隠して、後からグチグチ言うタイプよりは一緒にいて楽」という意見もあるのです。
また、起こった出来事に対して怒りや焦りの感情が湧くのは、当事者意識をもてているから。無関心だと怒りも喜びも湧きません。責任感が人一倍強いからこそ、色々思わずにはいられないのでしょう。短所の裏には長所が隠れています。「短気な自分を何とかしたい!」は尊重されるべき気持ちですが、改善策ばかりに目を向けて、今の自分がもつ良さを見逃すのはもったいないと思いませんか? 今の自分よりちょっと良くなる気持ちで臨むのが大切です。
今の長所を活かしたまま、短気をなおしましょう
短気は損気と言いますが、短気は言い換えれば「情熱をもって取り組める」「自立思考」などの良い面も持ち合わせています。それでも「短気な性格」が嫌悪されやすいのは「怒りの発散の仕方が上手くない」ことにあるのでしょう。感情のままに怒りを向けられるのは誰だって嫌ですから。イライラしたら「どうして自分は怒っているのか」分析してみるのがポイント。怒りを抑えて、冷静に相手と話し合えれば人間関係を壊さずにすむはずです。気が短いということは、たくさんのことにアンテナを張れる証。短気だからこその長所にも目を向けて、損気な短気を改善していきましょう。