さて今回の「束縛」というテーマ。調べれば調べるほど疑問がわくテーマなんです。なぜかというと
- 束縛する、されるを愛情表現のひとつのように「それだけあなたのことが好きなんだよ」と言いくるめられていませんか。本当にそうでしょうか?
- 「最初はこんな束縛なかったのに、いつの間にか変わった」「結婚したとたん、手の平を返すように束縛が始まった」という声をよく聞きます。束縛される関係性、相手だけの問題なんでしょうか?
- 束縛されることに嬉しさを感じる人もいるようです。どういう心理なのでしょうか?
多かれ少なかれ「束縛」について考えたことがある人は多いはず!じっくり検証していきたいと思います。
目次
束縛を愛と感じるのはなぜか?
束縛してくるパートナーと付き合い続ける理由はさまざまです。衣食住等の物理的問題のほかに、束縛を愛情と感じている場合が考えられます。
束縛を愛情と感じる心理状態
必要とされることで自分の居場所を確保する人は、束縛されることを愛情と捉えがちです。
単独行動が苦手で常に誰かに誘われたいと思っている人は、1人では寂しいという気持ちの底で所属欲求が強く働きます。仲間に入りたいなら自分から誘えばいいのですが、誘われることに意義があるので自らは動きません。たとえば職場のイベントは告知だけではもの足りず、直接声がかかるのを待つ人も。誘われたら「やっぱり私がいる方がいいんだ」と感じ、誘われなかったら「どうせ私は必要ない」と誤変換します。そんな傾向がある人は、パートナーの束縛を「自分を必要としている行動」と認識。とくに居場所を確認されるのは、迎えに来てくれたり安否を心配してくれたりしているんだと考えます。いつだって私に会いたいと思ってくれているんだ、この人には私が必要不可欠なんだと幸せにひたれるんですね。
束縛したがる人にとって相手は、去っていかれては困る必要不可欠な存在。そして束縛されることが嬉しい人にとっても、相手は去っていかれては困る存在です。その束縛具合のバランスが取れているうちはある意味、需要と供給が成り立っている良い関係と言えるのかもしれません。
束縛が過ぎると呪縛に変わる
束縛の代表格「嫉妬」
「嫉妬は恋愛のスパイス」という名言(?)があります。繰り返される型通りの付き合いだとドキドキ感が少なくなるので、スパイスを投入するように嫉妬心をあおるわけです。まあ時には良いのでしょう。パートナーの意識が自分に向いているのがはっきり確認できるのは安心するものです。そんな可愛らしかったパートナーの嫉妬心が、頻度や深みが増して束縛に…妬ましさが消えなければ呪縛へと変わってしまうかもしれません。
束縛とは、たきぎを縛って束ねる行為から、相手の行動を縛って自由を制限する意味で使われています。実際に縛って行動を制限するのは「拘束」という言葉が使われるので、「束縛」は精神的に自由を拘束されているさま。実際には縛られていないのに自由に動くことができません。物理的に拘束されているわけではないので、縛られている原因を断つことが困難です。
精神的に拘束され身動きがとれない状態…もはや「呪縛」といっても過言ではないかもしれません。「大げさな!」と思うかもしれませんが、違和感を覚えつつ動けないその状態は、まるで呪文で縛られて動けなくなっているのと同じ。「どうすれば呪いから解放されるのか」ではなく、「私を縛るのはやめて!」と相手がやめてくれることを待ち、自分から逃げようとしません。まずは感じる違和感を大事にして、その場から離れましょう。
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束縛を拒絶できる心は健康的
束縛を拒絶できる人は自分を大切にすることができる、ある意味「心が健康」な人です。
人はそれぞれ他人に近付かれると不快に感じる空間”パーソナルスペース”を持っています。物理的・心理的に人と触れ合うのに心地よい・心地よくない距離感があるのです。どんなに大好きな人でも、どんなに大切な家族でも立ち入ってほしくない心のスペースは必ずあるもの。
例えば小さい頃に買ってもらったぬいぐるみ。見た目はボロボロでも思い出がたくさん詰まっています。「汚いから捨てろよ」なんて言われたら腹が立つし、勝手に捨てられたら悲しいですよね。このぬいぐるみのような「誰になんと言われようと守りたい大切なもの」に「自分自身」が入っていない人はとても多いと感じます。
そんな人は自分のことを軽く扱ってしまい、パーソナルスペースへの侵入を許してしまいます。自分の存在を「大切なもの」に格上げし、心を健康な状態に戻しましょう。自分を大切にする力が身につけば、束縛を拒絶することができますよ。
パートナー以外の人間関係は大切
パートナーができるとその関係性を密にするため、友人知人との関わりが薄くなっていく傾向があります。優先順位のトップは常にパートナーで、ときどき友達や同僚、親兄弟は最下層まで落ちることもあるでしょう。
自ら望んで周囲との関係を薄くしているなら良いのですが、パートナーの顔色を窺って薄くしているなら考えものです。彼氏ができるたび疎遠になり、別れたら誘いが多くなるなんてわかりやすい人だと、友人は「友情」ではなく都合よく「利用」されていると感じるようになり、大半の場合、疎遠になるでしょう。
あなたが大切にしたい友人から大切に扱われたいなら、パートナーの顔色をうかがうのは即やめるべき。友人との付き合い方はパートナーとの関係性に左右されるのではなく、自分の気持ちで決めることが大事。友人と疎遠になってもパートナーのせいにしなくて済むので、束縛されている感覚は減るはずです。
束縛パートナーかどうかを見分ける方法
された瞬間「いやだ!」と思えるほど露骨な束縛。たとえば携帯をチェックする、交友関係に口を出す、自分の都合に合わせて予定を入れるなどはわかりやすいですね。それって付き合ってみないとわからないことかもしれません。ここでは、付き合う前に見ておきたい「束縛しない」タイプを紹介します。
1人の時間を大切にしているか
ぼっちでも楽しく過ごすことができる人は、他人を束縛することに意味を見出しません。一緒に楽しめないならむしろそっとしておいてと感じます。1人でやる楽しみを持っている人は、たとえば「ちょっと遊びに行く」と言われたら、「どこ行くの?何時に帰る?」ぐらいで余計な詮索はしません。詮索されることがいやだと知っているので、他人のことを詮索しようとはしないのです。
1人の時間を大切にする人なのかは、趣味を聞いてみるといいです。読書や映画鑑賞のような1人で楽しめるものはもちろん、週末はサッカー等のスポーツをやってるのもいいですね。「彼女には毎回観に来てほしい?」って質問して「ときどきでいいよ」って返事ならOK!「来なくていい」って言われてしまうと逆に寂しいですね。
してほしいことをちゃんと伝えてえくれるか
ああしてほしい・こうしてほしいを言わないで、察してほしがる人。それは常に自分を優先してほしい気持ちの表れです。言わないでもわかるだろという思考には、自分とパートナーが意思疎通が図れていて当たり前という前提があります。言われる側が相当賢く立ち回っているのがわからないワンマンっぷり、痛いですね。
でもこの「当たり前」を放っておくと束縛につながります。たとえば同僚に「言わなくても察しろ」「常に先読みしろ」と言われて、それがうまく出来なかったときに腹を立てている人がいたら危険信号。自分の固定観念を押しつけてくるタイプは、恋愛関係では束縛に発展しやすいので注意しましょう。
パートナーを束縛タイプにしない方法
これまではすでに束縛タイプになっている例を挙げてきましたが、ここからは束縛させない方法を紹介します。
その束縛に応えない
いたってシンプル。束縛に応じないことが一番大切です。応じてしまうから「OKなんだ」と誤解させ、束縛がエスカレートしていくのです。なので、付き合いはじめから「いやなものはいや」と表現できる強さが必要。その強さをもつためには「自分は大切に扱われる存在」であることを自他ともに認めることが重要です。せっかくの出会いのチャンスを潰したくない、好きになって欲しいと、遠慮しいしい付き合っているといつの間にか束縛パートナーが出来上がってしまいますよ。
パートナーを大切にする
こちらも単純明快。相手を大切にすると自分も大切にしてもらえる、自分を大切に扱ってもらえると相手のことも大切に扱いたくなる、相乗効果です。自分が相手を大切に思っていないならお互い様ですよね。相手を利用し続けると、いきなりぽいっと捨てられてしまいますよ。
気持ちは裏返さずに伝える
打算はいりません。そもそも相手に不安を与えなければまず束縛されることはありません。「大好きだよ」「大切に思っているよ」とストレートに伝えることで、相手を安心させてあげましょう。相手が自信をもつことができればあなたのことをより一層信頼してくれるはずです。
口先だけでは意味がないのでちゃんとOKはOK、NOはNOと伝えることが大事です。NOを隠しながらOKと伝えても、その雰囲気はパートナーに伝わります。結果として「ウソをつかれているんじゃないか」と不安に変わるので、その場しのぎで適当なことを言わないようにしましょう。
あなたは束縛されたい?されたくない?
束縛についていろいろ検証してきました。
束縛を愛情と感じる人は、他人から何を言われてもそのスタイルを崩すことはありません。
どこかで無理をしている、無理しないと付き合っていけないと感じている人は、今一度、自分の価値について考えてほしいです。そして、パートナーとの関係性を見直して、それでも付き合っていく覚悟があるならそれも良しです。
自分らしく振舞える恋愛や結婚をしたい人は、互いだけを見すぎない世界観、広い視野を持つ必要があります。たくさんの出会いに期待して、自分磨きを続けましょう!
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