一時期「コロナ離婚」という言葉がよくニュースになっていました。外出自粛でいつもより一緒にいる時間が多くなり、気付かなかった一面を知ってしまいケンカが増えた結果離婚、という流れです。普段はつかず離れずで、ほどよい関わり方ができていたのでしょうが…。
これから結婚しよう、一緒に住もうと計画中のカップルにも同じことが言えて、いざ同居を始めたらケンカが増えた、幸せだけどちょっとしんどいといったシチュエーションが出てくるかもしれません。
ここでは、ほど良い距離感がないとモメてしまうパターンと、そんな2人のケンカの終わらせ方を探ってみたいと思います。
目次
腹が立つ瞬間
1人の時間を邪魔された
ほど良い距離感から得られるもの、それは1人の時間でしょう。同じ家にいても互いにやりたいことをやって、飽きたら気分転換にちょっと買い物に行ったり…どこかで自分だけの時間を確保できていました。
「大人の恋愛では心地よいと感じる距離感が重要」という下記の記事で、互いに束縛せず感情だけに溺れず、相手を尊重する関係性には距離感が必要で、その距離感が破られると自分の世界に侵入される感覚になり、つい腹が立ってしまうといった内容です。
https://www.machicom.jp/magazine/posts/4113
ストレス発散できない
パートナーに対する感情ではないけれど、ストレスが溜まってしまいついつい乱暴な態度をとってしまうことがあります。
仕事のストレスも自宅までの道のりで気分転換できたり、飲んで発散したり、趣味に没頭することで忘れられたり。1人でいる時間や空間を確保することで、感情を上手にコントロールできていた人は多いはず。そしてパートナーに感じていたちょっとしたイライラも、仕事していたら忘れたり、飲んで忘れたりといった感じででバランスをとっていた人もいますね。
こんなタイプの人達は1人の時間が確保できず、ストレスを上手に解消できなくなってしまったと言えます。リモートワークに切り換えた途端自宅が会社になってしまい、気分転換もできず八方塞がりなった人も多いようです。
そんなつもりじゃなかったのに
自分の常識は相手の非常識…かも
ほど良い距離感は人それぞれ。自分としては同じ部屋に居続けることが苦ではなくても、パートナーは違うかもしれないと思うべきです。例えるならBGM。部屋にいるときは常に音楽をかけていたい自分、静寂な空間で本を読みたいパートナー。適度に離れているなら音楽もカフェ感覚ですが、同じ部屋で大音量の音楽をガンガンにかけられたら騒音以外の何ものでもありませんね。そして静か過ぎると息苦しさを感じてしまうという人に、音楽をかけるなというのも気の毒な話です。
良かれと思ってやったことも相手の負担になる可能性が
役割分担も適切な距離感を保つための手段です。家事を例に出すと洗濯物。「洗濯物がたまってたからやっておいたよ」とありがたいサポートをしてくれたご主人!だけど洗い方に注意したい衣類を分けてあったのに、普通の衣類と一緒くたにされ、ボロボロに。結果、着られなくなってしまいました…。お気に入りだったり、子どもの高い制服だったり、、代えのきかない衣類だとショックが大きすぎます。
相手に嫌な思いをさせないために、適度な距離感やタイミングで関わることは大切でしょう。たけど考えすぎて近づけないのも問題です。今以上の親密さを求めるなら、トラブルを解決する方法を身につける方が得策かもしれません。
大人なケンカの終わらせ方
まずは感情的にならず、冷静に考えることが大切。アドラー心理学でいうところの「課題の分離」です。
物理的な近さは今後も続くのか想像してみる
ほど良い距離感が取れない状態が、これから先も続くのか想像してみましょう。部屋が狭い、部屋数が少なくてほど良い距離感が保てないなら、前向きに引越しを検討してみてもいいかもしれません。外出自粛のような異常事態は、そう何年も続くものではありません。たとえリモートワークが続いても自由に外出できる環境ができたら、これまでと同じストレス解消法で乗り切れるでしょう。
イライラの原因は距離感が取れたら解消するものなのか考える
ほど良い距離感が無くなっていることがイライラの原因なのか、じっくりリサーチしましょう。人間ってひとつ鼻につく出来事が起こると、その後もわりと気にしがちな生き物。もしかすると距離感が取れない不自由さが原因ではなく、違う出来事がイライラの元かもしれません。
例えば、やってあげたことへの感謝がないと腹を立てているなら、自分が感謝という見返りを求めていることになります。もしかすると小さな頃に黙々と家事をする母親になんら優しさを示さない父親、といった家庭環境があったかもしれません。自分は家政婦じゃない!と腹が立っているのかもしれません。
自分自身を振り返ってみよう
パートナーに感じるイライラを過去にも感じたことがあるなら、記憶をさかのぼってみてください。実はお父さんはお母さんが出かけるときは送り迎えをしていたかもしれないし、地区の付き合いはお父さんが一手に引き受けていたりしたかもしれません。子どもの目には一場面しか思い出せなくても、俯瞰してみると夫婦でバランスをとっていた可能性はあります。
そうやって整理整頓ができたら、やってあげたことにその場で感謝してもらえなくても、いろいろなところでパートナーのサポートを受けている自分に気が付くかもしれません。支え合っているということがわかれば、いつしか「世話をしている」という負の感情が減って、フラットな気持ちでやってあげられるようになる可能性もあります。
それでも一緒にいたい相手なのかを考える
互いへの愛情がMAXで熱に浮かされている状態なら許せた甘えも、熱が引けばただのわがままです。腹が立つことはあるけれど一緒にいたいと思えるほどの相手なら、互いに歩み寄る必要があります。相手が歩み寄ってくれず自分だけが妥協し続ける関係なら、いずれ一緒にいたい相手ではなくなるでしょう。傷が浅いうちに手を打つべきかもしれません。
自分らしくいられる関係性を作ろう
距離感を保てていたからうまくいっていた2人が、近くなりすぎたことで破綻してしまった。そこだけ切り取ると悪い事と感じますが、一概に悪いとも言えないのではないでしょうか。まだやり直しのきくうちに、自分が自分でいられる距離感と接し方で、うまくいく人をパートナーに選ぶという選択肢が増えたともいえます。
しかし、現実は最初からそんな関係性が築けない、暮らしてみないとわからないというのが正直な話。お互いの努力でほど良い距離感を確立できるように夫婦生活を送りたいですね。